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カテゴリ:購書メモ・読書メモ の記事一覧

購書メモ・読書メモ 7

1 大津由紀雄/波多野誼余夫『認知科学への招待 心の研究のおもしろさに迫る』
2 大津由紀雄/波多野誼余夫/三宅なほみ『認知科学への招待 2』
3 J.ホップクロフト/R.モトワニ/J.ウルマン『オートマトン 言語理論 計算論 1』
4 米田政明/〔ほか〕『オートマトン・言語理論の基礎』
5 ハンス・クリスチャン・フォン=バイヤー『量子が変える情報の宇宙』
6 現代思想 2007-12『量子力学の最前線-情報・脳・宇宙』
7 島泰三『はだかの起原 不適者は生きのびる』
8 リン・マーギュリス『共生生命体の30億年』
9 F.M.コーンフォード『ソクラテス以前以後』

を購入。

1と2は、認知科学の概説本として。このブログで訳もわからず認知科学、認知科学とわめいているが、本当のところ、どんなことをやっているのか。入門としてある程度網羅的な本みたいなので、現場の雰囲気を知りたくて買ってみた。

3と4は、敵の道具を知らねばならないと思って。このあたりが計算主義的な言語観として最も洗練された部分であろう。ところが、じつはこれらの本は本質的に敵ではないのではないかという気もする。たぶん私の敵視する計算主義とは目的が異なるのである。それにもうひとつ期待があって、こっちの方が買った理由としては大きい。それは、駄洒落の形式変形についての理論がほとんど形式文法の理論に一致するのではないかということ。少なくとも参考にはなるはずである。この類の本は積読になりがちなのだが…。ちなみにオートマトンは、かつてフラクタルをかじった私にとって懐かしい響きの言葉ではある。

5と6は、アスペクトと量子情報の関係について妄想を膨らませるため。量子コンピュータは、RSA暗号の解読ツールとしての期待により有名になったが、計算量の問題にはあまり興味がない。質的にはチューリングマシン(古典コンピュータ)を越えないからである。私の関心はもっと原理的なところ。たとえば、QUBITという情報単位など神秘的ではないかと思う。

7と8は、進化論系。生物の話は具体性が魅力、読んでいて飽きない。とくに7は、今回購入した中ではいちばん期待が高い。著者は人類の裸化がダーウィニズムで説明できないことを、「不適応者は生きのびる」と表現している。我田引水になるが、裸化のみならず、言葉の獲得も、人類に不適応を招いたのではないか、というのが私の説。本書を参考に自説を補強したい。書き出しも小説気取りで、なかなか上手い。8はトンデモから科学へ、の見本かな。

9は、有名。じっさいソクラテスが何をしたのか知りたい気分もあって。というところか。


購書メモ・読書メモ 6

1 ドナルド・D.ホフマン『視覚の文法 脳が物を見る法則』
2 ジョージ・ガモフ『1,2,3…無限大』
3 ニコラス・ハンフリー『喪失と獲得 進化心理学から見た心と体』
4 月本洋『ロボットのこころ 想像力をもつロボットをめざして』
5 井上真琴『図書館に訊け!』

を購入した。今回は発送時期が揃ったものをまとめて買ったので、テーマはばらばらだ。

1は、認知科学系の本である。この間読んだ『〈意識〉とは何だろうか 脳の来歴、知覚の錯誤』が面白かったのだが、著者の下条信輔さんの専門が視覚の認知過程ということで、飛び火してみた。タイトルが「視覚の文法」ということで、チョムスキーの生成文法理論と親和性の高い議論になっているようだ。まえがきと第一章をパラパラと読んだところでは、はったりが強いというか、なんともアメリカンな文体が面白い。読みやすい。そうまで芝居がからなくてもついていくのだが。

2は、一般向けの科学コラムとして有名な本なので。見る限りフツーの印象だが、これは二番煎じのコピー本が多数発生したからかもしれない。内容はなかなか高度。哲学者のカントが惑星のできかたについて論じていたのは知らなかった。

3は、何だったか。養老孟司推薦とか帯に書いてある。「心身問題の解き方」が面白そう。原著は名文らしいのだが、訳文が硬い。読みにくくて閉口する。

4は、戸田山和久/〔ほか〕編『心の科学と哲学 コネクショニズムの可能性』からの飛び火。著者は仮想的身体運動というアイデアで言語の神秘を解こうとしている。文章は上手くない。また、アイデアも不振な気がするのだが、主張が明瞭な点が好印象。フェアな感じ。著者の主張には、まったく賛同しないけど、批判的に読むというより、現場の雰囲気を知りたくて買ったという趣が強い。

5は、図書館を使いたいので。司書っていいなあと傍から憧れたりするけど、実際どうなのかとか。……無理に理由をつけたが、たまたま発送時期が同じだったから買っただけだな、これは。


購書メモ・読書メモ 5

1 ヒューバートL・ドレイファス『コンピュータには何ができないか 哲学的人工知能批判』
2 下条信輔『〈意識〉とは何だろうか 脳の来歴、知覚の錯誤』
3 山本貴光 吉川浩満『問題がモンダイなのだ』

を購入した。

1は、いつか買わなければならなかった。このブログの過去の記事を読んでいただければ分かるのだが、私も「コンピュータには何ができないか」を考えている。というより、この本のタイトルに触発されて考え初めたところがある。昔から外題学問の徒であったが原典はまだ読んでなかった。ひどいなあ。

2は、何だったかな。それ系の本には違いないのだが、錯視系の話が載ってるのが味噌か。もしかすると、すでに持っていて、ダブり本になったかもしれない。

3は『心脳問題――「脳の世紀」を行き抜く』という本があって、面白そうだなと思ったのだが、絶版だった。著者は『哲学の劇場』というサイトを主催するコンビらしい。この『問題がモンダイなのだ』は、そのコンビが書いた別の本である。私も、もしかしたら「問題」がモンダイなのかもしれないと思っていたので、勢いで買ってしまった。どんな本かなとパラパラめくっているうちにいつの間にか読み終えていたが、これは本が薄いせいであろう。この内容なら、もっと薄くできたのではないかと思う。予告編の方が本編より面白い映画、みたいな印象だった。もったいない。


購書メモ・読書メモ 4

1 山梨正明/編『講座認知言語学のフロンティア 3 概念化と意味の世界 認知意味論のアプローチ』
2 黒田亘『行為と規範』

を購入した。しかし、この、読む前に書くレビューみたいな形式、なかなかの発見かもしれない。ものぐさな私としては、何事かその本に対して発言するためにはまず読んでからでなければ、というプレッシャーを感じずに済むのでやっていて面白いし、読み終えたあとで、購入時に抱いていた期待を読み返せるのもいい。他の人が読んでどうなのかはよく分からないが。この二冊は3/31に届いた分とほとんど同時に発注したのだが、これが今日時間差で届いたのであった。

1は、認知言語学の大勢を知るために。表紙にルビンの壺が描いてあって本文でゲシュタルトとか言ってるし、主体化などというキーワードもあるし、これはかなり私の構想に抵触するのではないかと一瞬身構えた。しかしながら、つまみ読みした限りでは、期待も不安も叶いそうにない。旧言語学の客観性がぼやけたような印象で、具体例は多いものの膝を打つような議論には出会えないのではないか。もっと先にやるべきことがあるでしょうと言いたくなるのだが、もちろん著者らの目的は私と異なっているのであって、これは単なる難癖に過ぎない。とりあえず歴史認識(現代史の知識)を深めるつもりで読んでみたい。

2は、私の買った黒田本第二号である。ここでは取り上げていないが、かつて『経験と言語』という箱入り本を買ったのが第一号だった。著者はウィトゲンシュタイン研究などで知られる哲学者。第一号の方は、なんとなくたじろいで自分の中に敷居ができてしまい、まだ読み始めることすらできていないが、こちらの『行為と規範』数ページ進めた段階ですでに、名著の予感が漂ってきた。これは編者によれば著者黒田亘の没後再編集されたもので、前半が放送大学テキストだったもの、後半がそれを補う三本の黒田論文という構成になっている(論文はテーマ的に近いものを編者が集めたもので、もともとこの形での出版を行う意図は黒田にはなかった)。冒頭、放送大学のテキストだけあって、まことに分かりやすい。読み進める快感がある。
私が行為論に興味を持ったのは「しりとり」の分析をしていたときに「規則に従う」とはどういうことか、という哲学的な問いが芽生えたことがきっかけだった。このとき、web上で文化人類学の浜本満さんが紹介していたアンスコムの行為論を読んで、ガチョーンと目から鱗が落ちて、私はあれこれ考え始めたような気がする。もっと遡れば、柄谷行人の『探求Ⅰ』が最初の一撃だった。柄谷『探求Ⅰ』もウィトゲンシュタイン本。あらためてウィトゲンシュタインは偉大である。

購書メモ・読書メモ 3

1 D.W.ハムリン『知覚の心理学 ゲシュタルト理論に関する哲学的検討』
2 ジョン・ディーリー『記号学の基礎理論』
3 パース『パース著作集 Peirce 1839-1914 2』
4 ジョン・タバク『はじめからの数学 5』

を購入した。

1は、アスペクト知覚と密接な関連があるゲシュタルト心理学について一般的な知識を得る目的で。いま1-2章と7章(最終章)および訳者あとがきを読んだところ。妙に理屈っぽくて、こなれてない訳文が魅力と言えば魅力かもしれない。これは若い人が訳したのだろうなあと思ったら、訳者は翻訳の時点で65歳。現在ご存命であれば84歳の大先生であった。副題に「哲学的検討」とある通り、抽象的な議論が本体で、いくぶんかは私の考えていることと重ならないでもないのだが、いかんせんゲシュタルト入門として適当だったかどうかは疑問。

2は、何だろう。記号学は敵なのか味方なのか。私にはかつて池上嘉彦の記号論関係の著作を読み進めようとして挫折した過去があるのだが、これは理解できなかったからではなかった。似たようなことを考えているのに、微妙なところがどうしても肌に合わなくて、かえって体が拒否反応を示したのである。トラウマの克服なるか。あるいは、更なる悪化を招くか。

3は、パースである。名前を見かける割りによく知らない人だ。きっと偉い人なのだが、何がどう偉かったのか。著作集1巻目が現象学、3巻目が形而上学だが、この2巻目は記号論関係の著作。
http://www.wind.sannet.ne.jp/masa-t/index.html
ここなんかでも、たくさん言及されている。パラパラめくった感じだと、読みこなすのは面倒臭そう。

4は、ネットの本屋さんの「本の内容」の項目に「自然法則とは何かを考える」とあったのに惹かれて買った。今回購入した中ではいちばん楽しめそうな本である。予想外のオマケは、第2章。アルキメデスに関する記述があったこと。アカデミックな興味ではないが、私はかなりのアルキメデスファンであると自負している。所持する関連本は10冊以上。mixiにアルキメデスのコミュニティーがないのを訝り、自分で立ち上げたくらいである。お勉強になっちゃ、つまらない。大いに楽しみたい。